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気になったニュースの備忘録+α

うるう秒

消える?「うるう秒」自転とのズレ、帳尻合わせ40年


写真:日本標準時を管理する情報通信研究機構のデジタル時計に、うるう秒の「60秒」が挿入された瞬間=2009年1月1日午前8時59分60秒、東京都小金井市(同機構提供)


図:標準時と原子時計とのズレ拡大標準時と原子時計とのズレ

ジュネーブで16日から開かれる国際会議で「うるう秒」の廃止が決まるかもしれない。極めて正確な原子時計で定義される時刻と、少しずつ遅くなる地球の自転で決まる時刻との帳尻を合わせるため、数年に一度、挿入される「1秒」。廃止されれば時刻が生活感とずれてくる可能性があるが、情報化に伴うリスクを理由に、廃止派が存続派を上回る勢いだ。
時刻は、生活と密接にかかわる太陽の動きに合うように、地球の自転に基づいて決められてきた。しかし、潮の干満の影響で自転にブレーキがかかっており、原子時計の時刻(原子時)とのズレが問題になった。そこで、1972年1月1日、「うるう秒」が導入された。
廃止論の背景はコンピューターの普及。うるう秒は日本時間では1月1日か7月1日の午前8時59分59秒の後に、普段使わない「60秒」として挿入されるが、コンピューター内部の時計が誤作動する恐れがあるからだ。誤作動は株の売買や、電子認証などのトラブルにつながる。
asahi.com 2012年1月11日

うるう秒、各国の対立解けず議論12年…存廃先送り


写真:ジュネーブの国際会議場で19日、うるう秒問題などを話し合う国連の国際電気通信連合(ITU)の無線通信総会に参加する各国代表団ら=前川浩之撮影

地球の自転の遅れに合わせて原子時計の時刻を調整するために挿入される「うるう秒」の廃止問題は19日、結論が先送りされた。「1秒」をめぐって専門家たちが12年間話し合ってきたが、主要国の賛否が割れたうえ、「なぜ今、議論しなければいけないのか」といった根本的な疑問も噴き出した。
「この廃止提案に賛成、反対だけでなく、この問題を完全には理解していない国もある。提案は承認できず、さらなる研究のために(専門家らの)部会に差し戻す」。この日、スイス・ジュネーブで開かれた国連の国際電気通信連合(ITU)の無線通信総会は、ニュージーランドのジャミーソン議長がこう宣言し、結論を持ち越した。決着は早くても次の総会が開かれる2015年になりそうだ。
国連筋によると、各国は前夜遅くまで非公式に接触し、合意の可能性も探った。だが、廃止派の米国、日本、フランスと、存続派の英国やカナダ、中国の対立は乗り越えられず、「時間切れ」に。ITUとしては異例の多数決による投票に持ち込むとのうわさも流れたが、193カ国加盟の国連の会議で賛否が割れると、のちのちの国際的な対立の火種になりかねない。
結局、対立をそのまま総会に持ち込み、各国が立場を言い合う事態になった。
asahi.com 2012年1月21日