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アホウドリ

アホウドリ

アホウドリは、バカドリとも呼ばれる。なぜ、そんな不名誉な名を付けられたのか。陸上での動きが不器用で、あまりにも簡単に捕まえられるからだという
▼とにかく日本人はこの鳥を殺しに殺した。伊豆諸島の鳥島では一八八七年から十五年で六百万羽が殺され、尖閣諸島では一八九七年から三年で八十万羽が殺されたとされる
▼その羽毛を欧米に輸出し巨利を得た商人らは南洋の島々へ進出し、国家も後押しした。鳥を捕り尽くせば、次は肥料に使う鳥糞(ちょうふん)、リン鉱へと品を変え、利権を追い求めていった。その際限なき膨張策がやがて武力進出を招いていったと、平岡昭利著『アホウドリと「帝国」日本の拡大』に教えられた
▼当然ながらアホウドリは絶滅の危機に瀕(ひん)した。地道な復活の試みが実を結び、一九七〇年代には二百羽ほどだったのが、今は四千羽ほどに。伊豆諸島と尖閣諸島に加え、小笠原諸島にも繁殖地が広がったようだという
▼復活の立役者、長谷川博さん(65)は「絶滅寸前まで追い込んだ責任を考えれば、アホウドリという蔑称はやめて、オキノタユウと呼んではどうか」と提案している。オキノタユウ(沖の大夫)とは、沖に住む大きく美しい鳥との意。中国地方の一部でそう呼んでいたという
▼確かに、かの鳥が口をきけるならば、「アホウドリ? 後先考えられぬ阿呆はどっちだ」と毒づかれそうだ。
中日春秋 2014年5月14日
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2014051402000090.html

飛ぶことに特化し大きな体長に比べ足が弱く離着陸が下手で直ぐには飛び立てない。
崖から落ちるように離陸し、着陸はつまづき転び頭を地面にぶつけて無様に着陸する。
離着陸には鳥としては長い滑走路が必要と昔テレビでみたことがある。
しかし、名はやはり「アホウドリ」の方がいい。
この鳥を乱獲し調子づいてその名を付けた日本人はその汚冠を永遠に載せて生きて行け。

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