人の土俵で褌を取る

気になったニュースの備忘録+α

千年希望の丘

森の防潮堤

震災がれきを利用して「森の防潮堤」を太平洋沿岸に築く壮大な計画が、宮城県岩沼市で着実に進んでいる。津波で浸水した市内の沿岸部約十キロに、高さ十〜二十メートルの丘十五基を整備する「千年希望の丘」構想だ
▼コンクリート片などのがれきで土台を築き、津波で運ばれた土砂をかぶせる。さらに木を植えるための土を盛り、シラカシやタブノキなど地域の植生に合った種類の木の苗木を植える
▼提唱したのは世界で四千万本を植樹してきた宮脇昭・横浜国大名誉教授だ。全国からの寄付金で第一号の丘が近く完成、ボランティアが二万本の木を植える植樹祭が六月九日に計画されている
▼津波が押し寄せてきた時、この丘が緑の壁になって勢いを受け止める。内陸部への浸水を抑え、緊急の避難場所にもなる。復興交付金で整備費が認められ、九つまで実現できそうな見通しだ
▼ダンプカーが砂ぼこりを上げて走る現場を先日訪ねると、丘の上で重機が整地をしていた。茶色い土砂がむき出しになっている丘は、森林のイメージからはまだ遠い
▼百年後を想像してみた。深く根を張った太い幹の木々が緑の葉を茂らせている。そこが人工の丘であると知る人はいない。「三本でも植えれば、林の始まり。五本も植えれば、もはや森の始まりです」と宮脇さん。千年後を見すえた「いのちの森」づくりの輪が広がっている。
中日春秋:コラム(CHUNICHI Web) -2013年4月30日
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2013043002000093.html

100年後想像してみた・・・すばらしい。