人の土俵で褌を取る

気になったニュースの備忘録+α

旅人に優しい国

旅人に優しい国

 明治時代に来日した英国の女性旅行家イザベラ・バードの旅は、古き良き人々との出会いの日々でもあった。貧しくても子どもを絆に楽しく暮らす家族、礼儀正しい肉体労働者たち、もてなしてくれる田舎の宿の主人…。約二千キロに及ぶという旅の記録として知られる『日本奥地紀行』には優しさや親切との遭遇がある
▼何よりこわごわ出発したバードは、実際の旅の安全に感心した。<恐怖心とはまったく無縁だった…世界中で日本ほど女性が危険にも無礼な目にもあわず安全に旅できる国はない>などと賛辞を繰り返す
▼古くから街道が発達し、お遍路やお伊勢参りといった伝統もある国だ。外国人の目に、育まれてきた伝統が大きな驚きとして映ったようだ
▼旅人を迎える心が今もなお生きているとすれば、それが悪用された逃避行だろう。大阪の富田林署から逃げ、山口県内で、先日捕まった男である。約五十日間に及ぶ逃走の中身が、分かってきた
▼大きな荷を積んで、自転車で長旅をしている人をみればねぎらいたくなる人は多いだろう。偽装を疑えた人はいただろうか。愛媛県庁では「日本一周中」の紙をもらったそうだ。お遍路のかさも持っていたらしい
▼二人旅も装っていた。警察の見逃しは残念だが、なんという悪知恵か。自転車で一人旅をする人々の印象まで傷つけることにならないか。いやな逃走劇である。
2018年10月5日中日新聞 中日春秋

平和な国ならどこの国でも『人』は基本優しい。
日本だけが旅人に優しい訳でもない。
ただ、それを良いことにその事自体をからかっているかのような行動に腹が立つ。
わざわざ県庁まで行ってそんなことを頼むか。
でも、愛媛県庁の担当職員はGood Jobでした。
愛媛県が旅人に優しい県だということが分かった。
他にもテント設置場所の提供、休憩所の提供、食べ物等の差し入れ等々多くあっただろう。
そんなことを傍で聞いてるだけで嬉しくなる。
多分多くの人がそう思っているのじゃないか。

参考:イザベラ・バード - Wikipedia

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2000試合出場 岩瀬仁紀投手

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2018年9月29日 中日新聞

岩瀬仁紀投手

 一九七〇、八〇年代に活躍した米大リーグ抑え投手の草分け的存在である、ローリー・フィンガーズがこんなことを語っている。「救援投手にとっていやなことは失敗すれば、先発投手の勝利を台無しにしてしまうことだ」。コールマン髭(ひげ)の強気な投球が懐かしいアスレチックスの大投手もそんなことを気にしていたか
▼打たれて自分に負けがつくだけならがまんできる。が、自分のせいで、がっかりする同僚がいるのは耐えがたい。自分の失敗で他人の人生を狂わせることだってあるかもしれない。救援投手はそうした強い重圧の中でマウンドに立っている。そのせいだろうか、米野球界には薬物やアルコールで不幸な末路をたどった救援投手もいる
▼その過酷な役割を担いながら千試合登板を達成したのである。今シーズン限りで引退する中日ドラゴンズ岩瀬仁紀投手。大偉業である
▼記録を塗り替えるのは難しいだろう。年五十試合。それを二十年間続けてやっとその数字に届く。しかも耐えがたい重圧の中でである。連投できる体力、動じぬ心。その二つが同時になければ、千試合投手は生まれぬ
▼「毎日、投げるのが怖かった」。インタビューでそう語っていた。長年、恐怖を抑え込んできたのか。ファンには感謝の言葉しかないだろう
▼「画竜点睛」。竜の目を最後に描き入れ、飛翔(ひしょう)させた、鉄腕の花道を拍手で送る。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2018093002000111.html
2018年9月30日 中日新聞中日春秋

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英字略語

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2018年9月29日 中日新聞 佐藤正明

英字略語

 大正のころだろう。国文学者の折口信夫は山中できこりに道を聞く。返ってきた言葉に驚いた。「苗圃(びょうほ)を迂回(うかい)して行きゃ…製板(せいはん)(製板小屋)が見えるがのし」。漢字をつなぎ合わせただけの造語、漢語そのままの言葉が短い返事に詰め込まれていたからだ
▼いなかの人たちまで<ぎごちない、徒(いたず)らにひねくれた音覚を持つ語を喜んで使ひます>(『新しい国語教育の方角』)。明治期に外国語が大量に翻訳された。国語になじまない言葉が増えたと、折口は嘆き、背後に世間の<造語能力>の衰えをみた。さらに南満州鉄道を満鉄とするような実体の見当がつかない略語が多いと指摘した。すべて現代に通じる苦言にも思える
▼日米首脳による関税交渉でTAGなる言葉が出てきた。物品貿易協定の英字略語で、造語だろう。締結に向け交渉するという
▼すでに略称だらけなのに新手登場である。背後にあるのは両国の都合か。米国との自由貿易協定(FTA)を避けたい日本は別物と主張できる。米国は、名前はどうあれ、FTAとみているらしい
▼食い違った解釈が可能な便利さだが、先々まで安泰なわけではないようだ。農産品や自動車関連でいずれ米国が強硬な主張に出る恐れが残る
▼英単語ならtagは荷札か。そう思えば、付け替え可能を感じる響きが、実体に合うようにもみえる。なかなかの造語力なのかもしれない。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/syunju/CK2018092902000111.html
2018年9月29日 中日新聞 中日春秋

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前沢友作 スペースX月旅行

ZOZO前澤氏の月旅行は総額750億円以上か? 搭乗者最大9人の気になる「旅費」 | BUSINESS INSIDER JAPAN
Archives http://archive.is/FDELU

https://img.atwikiimg.com/www45.atwiki.jp/jippensha/attach/93/7635/83_20180919_zozo%20maezawa.jpg
2018年9月19日中日新聞

たとえ優れた望遠鏡で宇宙を見ても大気の揺らぎで、プールの底から外を見ているようなものだとか。
芸術家達が宇宙に行ったらどのような絵や音を創造してくれるのか。


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