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主人かばい脚失う…「サーブ」銅像、命日に除幕


暴走車から主人をかばい、左前脚を失った盲導犬「サーブ」の銅像が、中部盲導犬協会(名古屋市港区寛政町)の正面に設置される。

3体作られた銅像は名古屋市と岐阜県に設置され、残る1体はアメリカに贈られる計画が果たせないまま25年近く保管されていた。サーブが死んで丸22年となる13日に除幕式が開かれる。

同協会で育てられたサーブは1982年1月、岐阜県美並村(現・郡上市)で飼い主だった亀山道夫さんを暴走車から守るため事故に遭い、左前脚を失った。サーブの物語は本やアニメなどにもなり、全国で大きな反響を呼んだが、88年に死んだ。

こうした活躍を伝える記事を読んだアメリカ・テキサス州の市民が請願するなどして、サーブは85年に「テキサス名誉州犬」の称号も得た。協会ではテキサス州などに贈る目的で、86年に3体の銅像を制作。ところが、州知事が交代するなどして実現しなかったという。

銅像は現在、JR名古屋駅前から移転した市営バスターミナル(名古屋市中区栄)付近と、岐阜県郡上市の健康福祉センターさつき苑に設置されている。テキサス州に贈られるはずだった銅像は、協会の旧施設に約25年間、保管されていたが、協会が今年設立40周年を迎えたことから、改めて設置を決めた。銅像は誰でも自由にさわることができるようにするという。

サーブを育てた当時の協会常務理事、河西光さん(故人)の妻で、同協会の河西宏枝普及啓発部長は、「サーブの問い合わせはいまだに多く、施設のシンボルとして設置することにも意味がある」と話している。(小栗靖彦)
(2010年6月9日15時52分 読売新聞)