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全固体電池

EV期待の「全固体電池」試作

世界的にEV=電気自動車へのシフトが加速する中、リチウムイオン電池に替わる次世代の電池として期待される「全固体電池」の試作品の開発に、長岡技術科学大学などの研究グループが成功したと発表し、EVの性能アップにつながるか注目されます。
「全固体電池」は電気自動車で一般的な「リチウムイオン電池」より、充電時間が大幅に短く、走行距離が飛躍的に伸びると期待される次世代の電池で大手自動車メーカー各社がこぞって開発を進めています。
この「全固体電池」について、長岡技術科学大学と大手ガラスメーカー「日本電気硝子」でつくる研究グループが試作品の開発に成功したと発表しました。
開発されたのは10円玉ほどの大きさの「全固体電池」で、電極にナトリウムが含まれる結晶化ガラスを使い、燃えにくく安全性が高い酸化物と一体化させることで、常温でも安全に使うことができるということです。
またリチウムイオン電池と異なり、「レアメタル」と呼ばれる希少な金属が使われていないことから、コストを抑えて供給できるメリットがあるとしています。
研究グループでは、将来の実用化を目指し自動車メーカーなどと組むことも検討したいとしています。
長岡技術科学大学の本間剛准教授は「今後、他の企業とも連携することも検討している。今後も安心安全でコストを抑えた電池の開発に取り組んでいきたい」と話しています。
2018年01月17日 18時14分 NHK
http://www3.nhk.or.jp/lnews/niigata/20180117/1030001574.html

トヨタが新電気自動車 充電数分、距離大幅増の電池搭載

 トヨタ自動車は、現状の電池よりも飛躍的に性能を高めた次世代の「全固体電池」を搭載した電気自動車(EV)を二〇二二年にも日本国内で発売する方針を固めた。現在のEVの弱点である航続距離を大幅に延ばし、フル充電も数分で済む。車載用では世界初の実用化になるとみられ、EV開発で欧米メーカーが先行する中、革新技術の導入で巻き返しを図る。 
 現在、各社が販売するEVの車載電池には主にリチウムイオン電池が使われている。
 電解質を液体から固体に替えた全固体電池は、リチウムイオン電池の二倍の充電量を見込める。現行のEVは航続距離が三百~四百キロ程度とガソリン車より短く、急速充電であっても数十分かかるが、全固体電池はこれらの弱点を一気に解決する可能性がある。
 長年にわたり全固体電池の研究を進めてきたトヨタは昨年、東京工業大などとの共同研究で電解質に適した固形素材を発見したと発表した。
 二二年以降に国内での市販を目指す新型EVに搭載するため、量産化に向けた開発を今年から本格化させた。新たにEV用のプラットフォーム(基本骨格)を開発し、全固体電池を搭載する計画だ。一九年にも中国で生産、販売する小型スポーツタイプ多目的車(SUV)「C-HR」をベースにしたEVは、迅速な市場投入を優先して既存のリチウムイオン電池を使う予定だ。
 全固体電池の開発は、独BMWフォルクスワーゲンVW)なども進めているが、量産を巡る具体的な計画は明らかになっていない。
<全固体電池> 充放電の際にイオンの通り道となる電解質にセラミックなどの固体を使用する。液体を使うリチウムイオン電池と異なり液漏れの心配がなく、高熱にも耐えるため安全性が高い。出力や蓄電量も倍以上の性能が期待できる。
東京新聞 2017年7月25日 朝刊

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