オスプレイ ミサゴ
秋田の象潟 ミサゴ オスプレイ
その眺めが失われて、二百八年。秋田の象潟(きさかた)は、浅海に島々が浮かぶ松島のような地で、さらにその向こうに鳥海山がそびえる絶景だったという
▼一八〇四年の地震で浅海が隆起したために、もう見ることはできないが、一六八九年に訪れた芭蕉の筆が見事に伝える。<俤(おもかげ)松嶋にかよひて又(また)異なり。松嶋は笑ふが如(ごと)く、象潟はうらむがごとし。寂しさに悲しみをくはえて、地勢魂をなやますに似たり>
▼無数の島々の中に、みさご島と呼ばれる島もあり、鳥たちの格好の繁殖地になっていたらしい。この地で弟子の曽良が一句。<波こえぬ契(ちぎり)ありてやみさごの巣>。ミサゴは夫婦仲の良い鳥。古歌を踏まえ「心変わりせぬ約束があって、みさごは巣を作っているのだろうか」と詠んだ
▼日米同盟は夫婦になぞらえれば、金婚式を超えたパートナーだ。けれど、どうもミサゴのようには、いかぬらしい。ミサゴの英名オスプレイを冠した輸送機MV22。その配備計画をめぐる米政府の不実ぶりは、どうか
▼米軍がハワイでのオスプレイの飛行訓練を断念した。騒音や野生動物への影響、飛行で生じる気流で遺跡に被害が出るのを懸念してのことという
▼まさかハワイで飛ばせぬものを、沖縄の人口密集地にある飛行場では飛ばすというのか。<ハワイは笑ふが如く、沖縄はうらむがごとし>となってはもう、つれ合いとは呼べぬ。
中日春秋:コラム(CHUNICHI Web) - 2012年8月24日
よくここまで話を持って行った。ハワイでのオスプレイ飛行中止の話→オスプレイの日本名→ミサゴ→ミサゴの特徴→俳句→曽良→芭蕉→今は無き秋田の象潟の絶景。
どんな景色だったんだろう。カラッと晴れた青い空の松島と比べて日本海特有のどんよりと湿った冬景色が『寂しさに悲しみを』となったのだろうか。
愛知県の名の元になったと言われている「年魚市潟(あゆちがた)」も美しい景色だったそうで、ここを題材にした歌が万葉集に二首あるとか。どんな景色だったんだろう
年魚市潟の東側にあった呼続浜
多分、七里の渡しから知多半島にかけて伊勢湾岸の美しい海岸線が続いていたのだろう。
画像引用 Network2010 / 東海道 宮宿
すごいよ、このサイト
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