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ヒッグス粒子

ヒッグス粒子発見か 新粒子観測を発表 欧州合同原子核研究所

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物質に重さ(質量)をもたらす素粒子で、約50年前に存在が予言されながら見つかっていない「ヒッグス粒子」を探している欧州合同原子核研究所(CERN)は4日、ヒッグス粒子とみられる新粒子を発見したと発表した。日米欧の2つの実験チームの最新の研究成果を基に統一見解を公表した。さらに検証して年内にも結論が出る見通しで、物理学の歴史に残る大発見が間近に迫った。ヒッグス粒子は物質の最小単位である素粒子の一つで、すべての物質に重さを与えているとされる。素粒子の基本法則の「標準理論」で示された粒子の中で唯一、見つかっていない「最後の素粒子」で、発見すればノーベル賞の受賞は確実視されている。 <日本も参加している日欧米の「アトラス」検出器(欧州合同原子核研究機関提供)>
MSN産経フォト - 2012年07月04日

ヒッグス粒子で注目の発表へ

宇宙の成り立ちに欠かせないものとして、半世紀近く前にその存在が予言されながら見つかっていなかった「ヒッグス粒子」という素粒子について、日米欧などの国際的なグループが日本時間の4日午後、最新の研究結果を発表します。
発見に向けた有力な手がかりが得られたとみられ、世界中の注目が集まっています。
ヒッグス粒子を巡っては、4年前から、日本やアメリカ、ヨーロッパなど世界各国のおよそ6000人の研究者でつくるグループが、スイスのジュネーブ郊外にある1周27キロの巨大な「加速器」という実験装置を使って、その存在を探ってきました。
実験では、2つの陽子を光と同じくらいの速さまで加速して正面衝突させ、その際に生まれる無数の粒子を調べる手法でヒッグス粒子を探してきました。
研究グループは、去年12月には「ヒッグス粒子が存在する可能性が高まった」という発表をしていましたが、その後、これまでに発見に向けた有力な手がかりが得られたとみられ、日本時間の4日午後、スイスや東京で行われる記者会見に世界中の注目が集まっています。
ヒッグス粒子は、宇宙を構成するすべての物質に「質量」を与えるものとして、1964年に、イギリスの物理学者、ピーター・ヒッグス氏が存在を予言しました。
1960年代以降、確立された物理学の標準理論で存在が予言された17の素粒子のうち、ただ1つ見つかっていなかった素粒子で、発見に至れば、現代物理学の大きな謎が解明されることになります。
「ヒッグス粒子」は、もし存在しなければ、星や生命なども生まれないと考えられることから、「神の粒子」とも言われていて、発見できれば宇宙の成り立ちを解明する重要な手がかりが得られることになります。

CERNの実験装置と研究

ヒッグス粒子を見つけるための実験は、スイスのジュネーブ郊外にあるCERN=「ヨーロッパ合同原子核研究機関」に設けられた巨大なトンネル状の「加速器」と呼ばれる実験装置を使って行われています。
その円周は27キロで山手線一周に匹敵する規模です。
加速器は物質の基となる陽子を猛スピードで正面衝突させることで、高いエネルギーの状態を人工的に生み出し、この中で新たな粒子が生じるのを確認しようという実験装置です。
CERNは、およそ5000億円の予算と16年の歳月を費やし、2008年、この世界最大の円形加速器の運用を開始しました。
トンネルの中で、陽子を光とほぼ同じ速さの猛スピードまで加速し正面衝突させると宇宙が誕生した大爆発「ビッグバン」の直後に似た高いエネルギーの状態が再現され、さまざまな粒子が生じます。
この中から未知の素粒子であるヒッグス粒子を見つけ出すのが実験のねらいです。
CERNでは、ヒッグス粒子を見つけるために検出器の精度を高めて1秒間に数億回もの衝突によって得られる膨大なデータを解析し、ヒッグス粒子の存在に迫る研究を続けています。

CERN“発表に期待”

世界の研究者たちが集まり「ヒッグス粒子」を見つけるための実験を重ねてきたスイスのCERN=「ヨーロッパ合同原子核研究機関」では、最新の研究成果の発表を前に、どこまでヒッグス粒子の発見に結びつく成果が得られたのかと関係者の間で期待が高まっています。
宇宙の成り立ちに欠かせないものとして半世紀近く前にその存在が予言されながら、見つかっていなかった「ヒッグス粒子」について、スイスのジュネーブ郊外にある、CERNでは、世界各国の研究者でつくるグループが日本時間の4日午後、最新の研究成果を発表することにしています。
発表を前にCERNのギリス広報官は、「ことしに入って実験施設は順調に稼動しており、十分なデータを得ることができた。4日は、大きな意味を持つ発表が行われることになるだろう」と述べ、どこまでヒッグス粒子の発見に結びつく成果が得られたのかと関係者の間で期待が高まっている様子をうかがわせました。
さらにギリス広報官は、「ヒッグス粒子を見つける実験を巡っては、実験装置の設計やデータの解析に多くの日本人が関わってきた」と述べ、日本人研究者が今回の研究に大きく貢献しているという考えを示しました。
研究成果が発表される会場では、マイクやスクリーンなどの点検が行われていて、世界中が注目する発表に向けて準備が着々と進められていました。
NHKニュース - 7月4日 6時15分

新粒子発見、「ヒッグス」か=質量の起源、加速器実験で−日本含む国際2グループ

【ジュネーブ時事】欧州合同原子核研究所(CERN)は4日、二つの国際グループが大型加速器を使って実験した結果、物質の質量の起源となる「ヒッグス粒子」とみられる新粒子を発見したと発表した。新粒子の確率は99.9999%以上で、素粒子物理学の世界で「発見」と呼べる水準にほぼ達した。10月まで実験データを積み重ね、年内にも最終的にヒッグス粒子と断定する見通し。
ヒッグス粒子は物質の最小単位である素粒子で、標準理論で存在が予測された粒子の中で唯一発見されておらず、「神の粒子」と呼ばれる。ピーター・ヒッグス英エディンバラ大名誉教授(83)が1964年に提唱し、半世紀近く探索が続いていた。発見されれば、ノーベル物理学賞は確実とみられている。
二つの国際グループは「アトラス」「CMS」(各約3000人)で、アトラスには日本の東京大や高エネルギー加速器研究機構などの研究者が参加している。大型ハドロン衝突型加速器(LHC)でほぼ光速まで加速させた陽子同士を衝突させ、宇宙が約137億年前にビッグバンで誕生した直後の状態を再現。発生したヒッグス粒子が瞬時にさまざまな粒子に崩壊する様子を別々の測定器で間接的に測定した。
時事ドットコム:2012/07/04-21:46

【解説】ヒッグス粒子とは

ヒッグス粒子は私たちの身の回りも含め、すべての宇宙空間を満たしている素粒子として、1964年にイギリスの物理学者、ピーター・ヒッグス氏が存在を予言しました。
もし、ヒッグス粒子が存在しなければ、宇宙を構成するすべての星や生命が生まれないことになるため、「神の粒子」とも呼ばれています。
私たちの宇宙は、1960年代以降、まとめられた現代物理学の標準理論で、17の素粒子から成り立っていると予言されました。
これまでに、クォークやレプトンなど16については実験で確認されてきましたが、最後の1つ、ヒッグス粒子だけが見つかっていませんでした。
ヒッグス粒子が担っている最も大きな役割は、宇宙のすべての物質に「質量」、つまり「重さ」を与えることです。
およそ137億年前、宇宙が誕生したビッグバンの大爆発によって生み出された大量の素粒子は、当初、質量がなく、自由に飛び回っていました。
ところが、その後、ヒッグス粒子が宇宙空間をぎっしりと満たしたため、素粒子がヒッグス粒子とぶつかることで次第に動きにくくなり、物質を構成していったと物理学者たちは考えたのです。
ヒッグス粒子にぶつかることで動きにくくなる、この「動きにくさ」が質量そのものだと考えられているのです。
ヒッグス粒子はよくパーティー会場のたとえ話で説明されます。
会場を訪れた大勢の人たちが「ヒッグス粒子」だとします。
その人波の中を、人気アイドルが通りすぎようとすると、たちまち多くの人にまとわりつかれて動きづらくなります。
この「動きづらさ」が、質量・重さだというのです。
どこにでも存在していると考えられているヒッグス粒子ですが、発見に向けた道のりは、平坦ではありませんでした。
非常に小さく、空間に密集して存在しているため、空間からヒッグス粒子をはじき出すためには、宇宙が生まれたときと同じような極めて大きなエネルギーが必要とされたのです。
このため、CERN=ヨーロッパ合同原子核研究機関は、1周が27キロある巨大な「加速器」と呼ばれる実験装置を建設し、人類史上、最大のエネルギーで、2つの陽子を衝突させ、宇宙誕生の直後を再現する実験を続けてきました。
NHKニュース - 7月4日 17時25分[]