人の土俵で褌を取る

気になったニュースの備忘録+α

パンク無縁!

100%リサイクルの空気不要タイヤ

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ブリヂストンが東京モーターショーで発表した空気不要のタイヤを装備した電動カート
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ブリヂストンが開発した空気無しタイヤを説明する中央研究所研究第4部の阿部明彦課長

ブリヂストンが開発した空気不要のタイヤが注目を集めている。パンクすることがなく、ゴムやプラスチックなど使っている素材を100%リサイクルすることが可能なのが特徴だ。乗用車用としては耐久性が課題のため市販時期は未定だが、原付きバイクや電動カートなど比較的軽い乗り物では実用化のめども立っているという。
開発した空気不要タイヤ「エアフリーコンセプト」は、原付きバイクに使用されているタイヤとほぼ同じ大きさで、直径は35センチ。通常のタイヤが地面に接する部分のゴムを空気入りのゴムチューブで支えているのに対し、プラスチック製のスポークで支えているのが最大の特徴。
スポークは60本あり、中心部分のアルミ製ホイールと外側のゴムの部分を網の目のように入り組みながらつないでいる。スポークの形状はコンピューターを使った設計シミュレーションで決定したという。
スポーク一本一本は波打っていて“ばね”の役割を果たしており、力が加わるとゆがんでショックを吸収する。プラスチック製のため一見すると弾力性に欠けるようだが、地面に落とすと空気入りタイヤと同じ程度弾む。
開発担当者の中央研究所研究第4部の阿部明彦課長は「ホイールと外側のゴムを放射状スポークでつなぐ場合に比べ、強度は数倍以上で、柔軟性も確保した」と胸を張る。タイヤ1本当たり最大300キロの荷重にも耐えられるという。製造コストも、原付きバイク用なら従来のタイヤと同等という。
環境面では、これまでのゴム製タイヤは材料の約9割を占めるゴムを燃料としてリサイクルしていた。これに対し空気不要タイヤはゴムの部分が少ないため、使用後はゴムを細かく粉状にし、薬品を加えて再び空気不要タイヤに利用。これに加え、スポークには成形やリサイクルが容易な熱可塑性樹脂を利用したことで、「材料を100%リサイクルした上で、同じタイヤに戻すことができる」(阿部課長)。
地面に接する部分のゴムの溝がすり減った場合、新しいゴムに張り替える同社の「リトレッド」と呼ばれる技術を利用し、寿命を長持ちさせることも検討している。
実は、空気不要のタイヤは特殊用途としてすでに使われている。フォークリフトにはホイールの周りがすべてゴムでできているタイヤを採用。また、シニアカーなどと呼ばれるハンドル付き電動車いすにも、空気の代わりにウレタン樹脂が詰められたタイヤが使われている。ただ、いずれも通常のタイヤよりも重くて柔軟性も劣るため、乗り心地に難があるのが欠点という。
空気不要タイヤを市販するには、長く使った場合の耐久性が課題だ。大きな力を一度に加えても問題がないことは室内実験ですでに判明しているが、小さな力を長時間加え続けた場合については現在も実験を重ねている。
阿部課長は「原付きバイク用では走行距離数千キロレベルの耐久性で良いが、乗用車用では数万キロレベルが要求される。暑さや寒さ、高速走行にも耐える必要がある」。
このタイヤを昨年末の東京モーターショーに出品したところ、「特にパンクの多い自転車用として早く販売してほしい」との要望が多かったという。「今後も数年かけて評価し、実用化にめどをつけたい」と阿部課長は普及を視野に入れている。(大坪玲央)
MSN産経ニュース 2012.2.18 07:00