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ミトコンドリア・イブ ラッキー・マザー説

「母性遺伝」仕組み解明、群大教授夫妻実験…米科学誌掲載

細胞内にあるミトコンドリアの遺伝子が母親からだけ受け継がれる仕組みを、群馬大学の佐藤健教授(42)と妻の美由紀助教(40)が解明したと発表した。
線虫を使った実験で、父親の精子に入っているミトコンドリアが受精後、受精卵の中で特定の酵素に食べられるように分解されて消滅する様子を初めて確認したという。研究成果は、米科学誌「サイエンス」電子版に14日、掲載された。
ミトコンドリアは、細胞内でエネルギーを生み出し、生命維持に重要な役割を果たす。その遺伝子は母親だけから伝わり、約20万年前のアフリカの女性が人類共通の祖先だとする「イブ仮説」の根拠になったが、仕組みは謎だった。
同大の生体調節研究所で細胞生物学を専攻する佐藤教授夫婦は、体が半透明な線虫を用いて受精卵の様子を観察。受精をきっかけに発生した膜に精子からきたミトコンドリアが包まれた後、酵素で分解される仕組みが明らかになった。
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オートファジー(自食作用)と呼ばれる現象で、佐藤教授は「父親のミトコンドリアは受精卵の中で食べられる」と例える。その上で、「精子は懸命に泳いで卵子までたどり着くので、受精した時にはダメージを受けている。そうした遺伝子を引き継がないためではないか」と仮説を立てる。
研究が進めば、ミトコンドリア異常との関連が指摘される難病のパーキンソン病や、糖尿病、がんなどの治療に寄与する可能性があるという。
2011年10月15日 読売新聞

参考wikipedia:ミトコンドリア・イブ