スペースシャトル アトランティス ラストフライト
発射前日 時々豪雨 この画面からでも手前二本のサーチライトに照らされ雨が降っていることが分かった
カウントダウンは-31秒で一旦止まり最後の安全確認をして-30秒から再開される。
アトランティス打ち上げgif動画
スペースシャトル「アトランティス」、最終飛行へ
スペースシャトル「アトランティス」は8日朝、優美な弧を描きながら最後のミッションに旅立った。様々な功績とともに悲劇を刻んだスペースシャトルの30年の歴史が幕を閉じる。
打ち上げを一目見ようとケープ・カナベラルには何十万人もの人が集まり、ケネディ宇宙センターは招待客や報道陣でごったがえした。米航空宇宙局(NASA)の元高官や、故ケネディ大統領一族の4人、歌手のグロリア・エステファンさんやジミー・バフェットさんなどの姿も見られた。
4人の乗員を乗せたアトランティスの12日間の飛行は今回で135回目。国際宇宙ステーション(ISS)に交換部品や1年分の物資を供給することが主目的だ。
現地ではここ数日悪天候が続き、数時間前までは打ち上げが危ぶまれていた。前日も雨が降り続け、午後には発射台近くで2度の落雷があったが、NASAでは発射台にもシャトル本体にも損傷はなかったとしている。
ウオール・ストリート・ジャーナル日本版 7月9日
シャトル引退で宇宙を独占するロシア、飛行士運賃を大幅値上げ
90分に1回地球を回る国際宇宙ステーション、この宇宙開発事業史上最も高額な1000億ドルを費やしたプロジェクトは数日中にロシアの単独事業となる。
米国最後のスペースシャトルが8日に打ち上げられ、その後、米国をはじめ各国はロシアへ委託して宇宙ステーションに宇宙飛行士を送り込まなければならない。有人宇宙事業を独占することになるロシアは、すでに意気軒高たるものがある。同国は飛行士を輸送するソユーズのカプセルの費用を2005年と比べほぼ3倍に値上げしようとしているが、他の国々は従う以外にない。
「われわれは、非常に居心地が良いとはいえない状況だ。いや居心地が悪いという表現ですら婉曲的だ。われわれはそろって過ちを犯してしまった」と、欧州宇宙機関のジャン=ジャック・ドルダン長官は怒りをあらわにする。
ソユーズの成功はコスト重視戦略の勝利だ。米国がスペースシャトルに総額2091億ドルを費消した一方、現在のロシアの宇宙事業は、年20億ドルしか使っていない。
ただ、計画通りに進めばロシアの独占は2016年に終わるはずだ。今はまだ漠然とした計画だが、米航空宇宙局(NASA)が、民間企業を活用して営利目的の乗員運搬計画、いわば宇宙のタクシー事業を始める予定だからだ。
2004年にブッシュ前大統領がスペースシャトル計画の終了を発表して以来、ロシアの宇宙当局は米国の宇宙飛行士を運搬する費用を値上げしてきた。直近の契約ではソユーズの乗員カプセルを宇宙ステーションに送るために一回で6300万ドルを支払うことが監査報告で明らかになった。2005年以降、2.75倍に値上がりだ。
NASAは4月、人間を宇宙ステーションに運ぶシステムを構築するため民間の宇宙事業会社5社に2億6930万ドルを配分した。その中でもスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(カリフォルニア州ホーソーン)は最先端を行っている。同社は再利用可能なシステムを使って7人を1回2000万ドルで飛ばせるという。これは大方の予想の数分の一だ。
同社の最高経営責任者(CEO)で電子決済サービスのペイパルや電気自動車メーカーのテスラ・モーターズの共同創業者エロン・マスク氏は「この事業は納税者が払いたいと思うような金額でやらなければならない」と語る。同社は来年から同社が開発した「ドラゴン」宇宙船と「ファルコン」ロケットを使い無人で宇宙ステーションに物資を輸送する16億ドルの契約をNASAと結んでいる。 90分に1回地球を回る国際宇宙ステーション、この宇宙開発事業史上最も高額な1000億ドルを費やしたプロジェクトは数日中にロシアの単独事業となる。
ウオール・ストリート・ジャーナル日本版 7月7日