人の土俵で褌を取る

気になったニュースの備忘録+α

クルム伊達公子

最も由緒があり、ときに最も融通の利かないテニスの試合会場、ウィンブルドンでは今年、センターコートの屋根を使用する機会がたびたびあった。その結果分かったことは、たとえ屋内であっても、ウィンブルドンの雰囲気は失われないということだ。
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試合後握手を交わす両選手

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ウインブルドンセンターコート
The Daily Fixより

22日のウィンブルドンは昔に戻ったかのようだった。女子シングルス2回戦で、1989年に初めてウィンブルドンでプレーしたクルム伊達公子(40)が、大会5度の優勝を誇るビーナス・ウィリアムズを3セットまで追い詰め、7-6、3-6、6-8で惜しくもウィリアムズに敗れた。
ウィンブルドン予選には128人の選手が参加。女子選手のうち36人はクルム伊達ウィンブルドンデビューを果たした年にはまだ生まれていない。クルム伊達はドロップショットやハーフボレー、ロブ、フォアのスライスをたくみに使い分ける。身長わずか163センチで、サーブスピードは時速約130キロ、トップスピンは90歳のお年寄りがフェイスブックを利用するほどの回数しか使用しない。しかも左ききでありながら、プレーするのは右手だ(日本ではかつて左ハンドは敬遠されていた)。
「こんな風にボールを打つ選手とは対戦したことがない。これほど変化のあるプレーをする選手は今はほとんどいない」と、ウィリアムズは驚嘆した。
クルム伊達は第1セットの序盤をリードし、その後追いつかれたが、果敢にタイブレークでセットを死守した。体調は万全だった。クルム伊達は、現役復帰の4年前の2004年、ロンドンマラソンに参加し、3時間半を切るタイムで完走している。2セット目の中盤までにはマラソンを走り終えた後かのように疲れて見えたが、体が「重く」感じたという本人のコメントに反して、試合最後までペースはほとんど落ちなかった。
「今はまだ大丈夫だが、恐らく明日は大変だろう」と、クルム伊達は試合後に語った。
この試合は雨の駐車場で行われていたとしても、見応えのあるゲームだっただろう。だがウィンブルドンの屋根の名誉のために是非言っておきたい。屋根があったからといって、試合のパフォーマンスの輝きが失われることはまったくなかった。
センターコートの屋根は、09年に設置されて以来その目的をあまり果たしていない。その年、開閉式の屋根が使用されたのは1度。アンディ・マリーの試合の途中で小雨が一時ぱらついたために閉じられ、試合はそのまま最後まで続けられた。屋根とともに設置された照明のおかげで、試合が終わったときには午後10時40分近くになっており、当時大会史上最も遅い終了時刻となった。
その記録を破ったのが、昨年の男子シングルス1回戦で行われたノバク・ジョコビッチとオリバー・ロクスの試合。終始雨が降っていたわけではなかったが、試合は最後まで屋根を閉じたまま行われ、終了したのは午後10時59分だった。
こういったわけで、センターコートの屋根は、今日の試合のときのような大雨の中での使用は、これまで一度も試されたことがなかった。屋根は半透明なため、照明だけでなく、太陽光も活用できるようになっている。激しい雨が当たったときの音も、耳障りというより、むしろ心地良い(雨音を集めたヒーリング用のサウンドトラックのような感じだ)。
欠点を挙げるとすれば、閉じるのに時間がかかることだ。屋根自体が閉まるまでの時間は約10分だが、選手はさらに20〜30分待たなければならない。芝が滑りすぎないように、コートに設置された「空気制御システム」によって結露を除去する必要があるためだ。また、屋根を閉じると音が反響しやすくなるし、やや蒸し暑くもなる。ただし、蒸し暑いといってもウィンブルドンにしては、という程度だが。
ウィリアムズは屋根について、「イラついて叫ぶたびにアリーナ中に響き渡っていた。でも今年は屋根なしでプレーしていないから比較するのは難しい。これまでの年とほとんど変わらない気がする」との感想を述べた。
クルム伊達は、1996年当時に屋根があったら良かったのにと口惜しそうにした。その年、クルム伊達は準決勝まで進出したが、試合途中の雨でゲームが翌日にまで持ち越され、最終的にシュテフィー・グラフに敗れている。
「試合が2日にわたらなければ、シュテフィーに勝てた可能性はあったと思う」とクルム伊達は話し、今日の試合については「雨の音は少し聞こえた。でもコートも、屋根も素晴らしかった。とても気持ち良かった」とコメントした。
記者: Tom Perrotta (WSJブログ「The Daily Fix」より)
クルム伊達の善戦はウィンブルドンの屋根のおかげ? 英語原文はこちら

クルム伊達公子はどんどん綺麗になっていくね。
昔、マスコミに対してツッケンドンな物言いをしていたけど、余裕が無かったんだろうな。一度現役を退いてから俯瞰で観られるようになり逆にマスコミを利用する知恵と余裕ができこうすれば勝てると分かったのかもしれないな。現役だからそのオーラというか気で綺麗に見えるのか。いや実際に頭の良い綺麗な女性なんだろう。
以前クルム伊達のショットは打点が早く(私のイメージでは最高打点より早いハーフバンド時点)相手が驚くと聞いたことがある。