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気になったニュースの備忘録+α

ベルーガの赤ちゃん誕生 名古屋港水族館

2010年8月2日 中日新聞朝刊

母親に見守られながら泳ぐベルーガの赤ちゃん(下)=1日午前10時38分(平野皓士朗撮影)

名古屋港水族館(名古屋市港区)で1日未明、ベルーガ(シロイルカ)の雌ホワイトが、雄の赤ちゃんを生んだ。同水族館でのベルーガの出産は4例目となる。小さな命が誕生する瞬間に立ち会った。

午前2時40分。破水から9時間、尾びれが見えてから3時間余が経過した。やや時間が掛かっている。「母ちゃん、がんばらな」。観察している獣医師の言葉に力が入った。

時折目をつぶったり、ゆっくり水槽内を泳ぐホワイト。午前3時50分。ホワイトが尾びれを数回大きく振って力むと、グレーの小さな体が飛び出した。

赤ちゃんの体はしわしわ。初めは呼吸もうまくできない。尾びれや胸びれを不器用に動かし、よろよろと泳ぐ。赤ちゃんが、壁にぶつからないように、プールサイドと水中で飼育係が待機する。新米の母親も上手にサポートできないため、赤ちゃんが壁に向かうたびに緊張が走った。

赤ちゃんは体長137センチ、体重46キロとやや小ぶり。3時間後には、赤ちゃんの泳ぎも少し上達し、飼育係の水中サポートは要らなくなった。母親と寄り添うように元気に泳ぐ姿が、早くも夏休みで訪れる人たちの人気を集めている。

生まれる寸前のベルーガ=1日午前3時50分、名古屋市港区の名古屋港水族館で(片山夏子撮影)

同水族館は2004年7月、国内初のベルーガ繁殖に成功。今回の赤ちゃんを除き、これまで国内では5頭が生まれ、同水族館の雌ナナなど2頭が順調に成長している。

(社会部・片山夏子)
URL:http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2010080202000016.html